花子とアンあらすじブログ

『花子とアン』あらすじ第150回

吉太郎が家に帰るとふじがニコニコしていた。
「お帰り。ずっと待ってるだよ(笑)」
家に入ると醍醐亜矢子が座っていた。
「…醍醐さん?」
「おお。あんた、はなの女学校からの友達の…?」
吉平が思い出すと、亜矢子は頭を深く下げた。
「お義父様、吉太郎さん、突然、押しかけまして」
「醍醐さん、どうしてここに?」
「直接、吉太郎さんに、お伝えしに来たんです。私がどれほど怒っているか」
「…え?」
「ずっと捜してたんですよ!心配で心配で夜も眠れなくて…」
「そんなに心配かけていたとは…すみませんでした」
「もう、これ以上吉太郎さんを待っていられません!これ以上待ってたら、ヨボヨボのおば
あちゃんになってしまいます!私も吉太郎さんと一緒に葡萄酒を造ります!」
亜矢子の決意に吉平とふじは目を丸くした。
「てっ!?」
「お義父様、お義母様、私お料理もお掃除も、ちっとも得意ではありませんが、これから必死に努力致します。ですから私をここに置いて下さい!」
「あ、あの…、醍醐さん?」
「私!帰れと言われても帰りませんから!!」
亜矢子が答えると吉太郎は大きな声を出す。
「あなたは…いつも肝心な事を自分からどんどん先に言ってしまう!」
「ご、ごめんなさい、私…」
狼狽する亜矢子を横に吉太郎は、ふじと吉平のほうを向いた。
「おとう、おかあ!オラ、この人と一緒んなりてえ!」

一部始終を見ていたリンが大騒ぎをはじめる。
「てっ!吉太郎がやっとこさ結婚するだと!オラ、ちょっくら用事を思い出したさ!」
駆け足で帰っていくリンをみて吉平達は笑った。
「あぁ…行っちまった。こりゃあ、あっという間に村中に、知れ渡るらな(笑)」

― 1946年(昭和21年)1月、5年ぶりに花子がラジオに出演する日がやって来る。
花子はラジオの収録室前にある指揮室にいる黒沢に挨拶をした。
「ご無沙汰してます」
「村岡先生とまたこうしてご一緒できた事、本当にうれしいです(笑)」
「こちらこそ黒沢さんがいてくださって、心強いです」
「今はGHQの厳しい統制下に置かれていて、以前とは違うご不便をおかけするかもしれま
せんが…」
すると一人の兵士が声をかけてくる。
「へい!ママさん(笑)」
「…ママさん?」
「今日の原稿だ。検閲済みだから勝手に変更するなよ」
「…承知してます」
「へえ。あんた、そんなチビなのに本当に英語が喋れるんだな(笑)」
「チビ…」
その時、兵士はラジオ局職員の万年質に目が留まった。
「いい万年筆だな?くれよ」
「あっ!この万年筆は父の形見でして…」
「何だ?言うことが聞けないのか?戦争に勝ったのは誰だ?」
兵士が男性職員にすごんだ。

花子は兵士を睨む。
「ミスター!」
「なんだい?ママさん」
「その万年筆はお父様の形見だそうです。返しなさい。確かに日本は負けました。だからといって、そんな傍若無人に振舞っていいと思ってるんですか?初対面の女性に“へいママさん”などと言うのは失礼です」
兵士は激怒する花子に気遅れをとる。
「…まあまあ(汗)」
「どうか進駐軍として品位ある行動をして下さい」
すると廊下で二人のやりとりを聞いていた上官が部屋に入ってくる。
「このご婦人の言う通りだ。今すぐガムを捨てて謝罪しろ」
兵士は上官に言われ、万年筆を男性職員に返し、花子に頭を下げた。

「部下の非礼をお詫びします。失礼しました。…あなたはまるでポーシャみたいだ。ポーシャを知っていますか?」
「はい(笑)シェイクスピアの“ベニスの商人”ですね(笑)」

― その頃、吉平達はラジオの前で花子の出番をわくわくして待っていた。
「そろそろ、はなのラジオが、始まるら(笑)」
「おとう。無理しちゃダメじゃん」
「今日は、気分がいいだ(笑)」
「はなさん。今日は何のお話をするのかしら?」

― 女性アナウンサーが花子の紹介をマイクにむかってしゃべった。
「皆さん。本日は“ごきげんよう”でお馴染みの村岡花子さんをお招きしました」
「全国の皆さん、ごきげんよう。村岡花子です」
「村岡さん、どうぞよろしくお願い致します。村岡さんは英語の翻訳家としてもご活躍ですが、どのようにして英語を学ばれたんですか?」
「修和女学校でカナダの素晴らしい宣教師の先生方から…」。

― かよの店にいた客達はラジオから聞こえる花子の声に耳をかたむけていた。
「ごきげんようのおばさんの声、懐かしいな(笑)」
「俺、尋常小学校の頃、毎日楽しみに、ラジオ聴いてたよ(笑)」
かよは、嬉しくなり、2人の男性客にサービスした。
「よかったら、これどうぞ。おまけです(笑)」
その横で、作家・宇田川満代はつまらなそうに酒をあおっていた。
「またラジオに出るなんて“みみずの女王”も懲りないわね…」

『そこの本をほとんど全部読んでしまったので“あなたのために図書室を増築しなければ”と冗談で言われたこともありました。翻訳という仕事に興味を持ったのも修和女学校で学んでいた時でした。腹心の友が翻訳の道へと進む勇気をくれたのです』
ラジオを聴いていた蓮子は自分の話をしていることに驚く。
「はなちゃん…」

『最初に英語を教えて下さったのも修和女学校の先生方ですか?』
『いえ、私に最初に英語を教えてくれたのは、父です。幼い頃から本が大好きだった私を見て、父は修和女学校に入れようと思いついたのです。うちは貧しい農家でしたが、私が給費生と編入できるように父は奔走してくれました。10歳の時、初めて故郷の甲府を出て東京へ向かう汽車の中で父が英語を教えてくれました。いつも突拍子もない事をして、母や私たち兄妹をハラハラさせる父ですが、あのおとうがいなかったら、私は、英語に出会うことも、翻訳の道へと、進むこともありませんでした。外国の言葉を知るということは、それだけ多くの心の窓を持つということです。戦時中は、その窓も閉ざさなければいけませんでした。さあ、心の窓を大きく開けて一歩を踏み出しましょう。それぞれに、戦争のむごさや家族を失う悲しみを経験しましたが勇気を出して、歩いていけば、その先にはきっと、一番よいものが待っていると私は信じています』

花子のラジオが終わり、ふじが声をかけると吉平は眠るように息を引き取っていた。
「あんた…」
>花子の声を聞きながら、吉平は息を引き取りました。

花子とアン第150回の感想

やっぱり押しかけて来ちゃいましたね、醍醐さん。お嬢様で掃除も何も出来ないと告白するところは結構可愛い(笑)。亜矢子さん、富山先生は恋に一度は破れるも、最後はハッピーエンドという展開は嬉しいです。一方、大作家・宇田川先生、闇市でもかよの店にくるとは、かなりの常連客ですね。